我が家の庭では今フジバカマがよく咲いているのだが…
うれしい来客があった。
アサギマダラという蝶だ。
わりと大きめな蝶で名前の由来にもなっているとおり羽の一部が浅葱色をしている。
ふわりふわりというオノマトペがぴったりな飛び方や近づいてもあまり逃げない警戒心の無さで人気の高い蝶だ
今巷で社会現象になっている
「鬼滅の刃」というアニメに登場する女性剣士の1人がこの蝶をイメージさせる羽織をまとっている。彼女は鬼を斬って退治するのではなく、自身が調合した毒を使って鬼を退治する。
彼女の、自分は鬼の首を斬り落とす腕力が無いので毒を使うのだ、というセリフを聞いた時、だからアサギマダラなのか、と思った。
実はアサギマダラはその優雅な見た目とは裏腹に、鳥などに捕食されないよう体内に毒を持っている蝶なのだ。
幼虫が食べる植物も毒があるし、蝶になっても好んで吸蜜するフジバカマやヒヨドリバナは弱いがアルカロイド系の毒を持つ花だ。
オスに至ってはそのアルカロイド系の毒を体に入れないと性フェロモンが出来ないと言う。
ちなみに幼虫の食草の一つは鬼女蘭(キジョラン)というつる性の植物だ。
まさに幼虫の時から鬼退治をしているというわけだ。
もう一つこの蝶の人気の高い理由に長距離の渡りをするというのがある
長距離といってもなかなか半端ない。
研究者によって羽にマーキングをされた後、函館市の山から放蝶された個体が二ヶ月後下関で見つかった例や、和歌山から放たれた個体が83日後に香港で捕獲された例などがある。
しかもなぜこんな長距離を移動するのかは未だに不明なのだそうだ。
レッドリストに指定している県もあるがほぼ日本全国で見られる。 もちろん春日山にも生息していて私も毎年1度か2度だが出会うことがある。
アニメでは女性剣士の邸宅の庭に無数に飛んでいる描写がある。
今回我が家に訪れてくれたのは1匹だけだったが、なんと10:00〜16:00まで滞在してくれたおかげで写真を撮ったりゆっくり鑑賞したり出来た。
春日山近辺では鹿が食べてしまうので野生のフジバカマは育ちにくいのでここに来てくれたのだろう。
フジバカマが咲いているうちは何度かお目にかかれそうだ。
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