top of page
検索

テンナンショウ(天南星)

  • 執筆者の写真: 真弓 依藤
    真弓 依藤
  • 2021年5月17日
  • 読了時間: 2分

この植物も4月〜5月、春日山のあちらこちらでよく見られる


実はテンナンショウという名前の植物は存在しない

春日山で見られるマムシグサやミミガタテンナンショウなどのサトイモ科の植物の総称がテンナンショウと、言うらしい

だから、ググると「テンナンショウ属」 という書き方になっている


へらっと口を半開きにしたような見た目がちょっと不気味なこともあり、積極的に近づこうとする人は少ないけど、漢方薬としても利用されているし、世界で約180種も確認されているというかなりポピュラーな植物


一応雌雄異株だが、生えている土地の栄養状態によって性転換する、という面白い性質をしている。

つまり、肥えている土に生えると雌花が咲く、というわけ


しかも、受粉の方法が面白い


この花は特にキノコバエという虫の仲間を誘う匂いを出す


誘われた虫は花に入り、底の方まで進み花粉まみれになるが、この花は上から簡単に出られない構造になっていてそのままでは虫は死んでしまう。

せっかく花粉をたくさん付けた虫が死んでしまうと受粉出来ない。

そ・こ・で

これは雄株にしか無いのだが、花の底に脱出口が開いている!

ちょっとわかりにくいが下の写真がその脱出口

この穴から出た虫はまた誘われて今度は雌株に入る

どんどん進んで行くうちに雌花に花粉を付ける。

そして底にある脱出口から出よう。とするが、なんと!雌株には脱出口が無いのだ

パニックを起こした虫は暴れ迷いさらに念入りに花粉を付ける。

運良く上から出られる虫はほとんどおらず、大概がそこで死んでしまうらしい。


ちょっとしたホラーだと思わない?


そして充分に受粉した雌株は秋になるとこんな実を付ける↓

なんとまぁ、充実した実か!


美味しそうに見えるが、人間には毒。

シュウ酸を含んでいて口に入れた途端激痛と痺れに襲われるらしい


それでもトウモロコシと勘違いして幼児が食べてしまう事故があるそうなので御用心を。


春日山では最初に揚げた写真のテンナンショウばかり見ていたのだが今年はマムシグサを遊歩道脇で見つけた

見てもわかる通り名前の由来は茎の模様がマムシに似ているから。


ちょっと不気味でホラーだけどおもしろいテンナンショウ


ちなみに花言葉は

「 壮大な美 」だそうだ



 





 
 
 

Kommentare


© 2023 by Nature Org. Proudly created with Wix.com

google-site-verification: googlebe9d463d2266bc5b.html

bottom of page