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マンダラゲ(曼陀羅華)

  • 執筆者の写真: 真弓 依藤
    真弓 依藤
  • 2021年5月28日
  • 読了時間: 3分

5月〜長ければ秋口くらいまで次々と花を咲かせ実を付ける。

昨年、上の禰宜道(かみのねぎみち)の入り口付近や飛鳥中学校前の土手に大量に咲いていた。

ナス科の植物で別名チョウセンアサガオ、トランペットフラワーなどと呼ばれる。


エンジェルトランペットという美しい花があるが、あれはこれの園芸品種


マンダラゲと聞いて、「これが、あの!」と興味を持たれるのはたいがいシニアの方々。


なぜなら世界初の全身麻酔手術に成功した江戸時代の医学者、華岡青洲(ハナオカセイシュウ)が開発して使った麻酔薬「通仙散」はマンダラゲから作られていたからだ。 


昔(失礼)は偉人として広く知られていたし、普通は「華岡青洲の妻」と言うほうが有名。


なぜ?と気になる方はググってみて下さい。


さて、このマンダラゲ、麻酔薬になるくらいなので…もうお分かりだろうが

そう毒草。


中毒事例として

この花の蕾をオクラと間違えて食した人が意識障害、幻覚などを起こした。

というのがあるのだが、下がその蕾。

まぁ、オクラに似てるっちゃ似てるが…

たぶん採った人は散歩でもしていて、この蕾を見つけて「わぁ〜こんな所に野生のオクラが!ラッキー」って思ったんだろうか


思い込みの怖さというものがよくわかる


とにかく気をつけてください。

特にお子さん。

子供というのは目線が低いので大人より花や実などを見つけるのが上手い。こんなものがあったら絶対に見逃さない↓

子供の好奇心と遊び心を絶対くすぐるであろうフォルムのこの実はマンダラゲの実である。

私の娘が中学生の頃、同級の男子がこの実を取って投げ合う、という絶対面白い遊びをしていたが、後で握っていた手のひらが赤く痒くなって往生したと聞いた。

その時触るだけでも影響があるんだなぁと思ったのを覚えている。


さて、この実の中には胡麻によく似た黒い種がたくさん入っている。

蕾、花、実、どれをとってもおままごとに絶対使いたいと思わせる形をしている。

当然だが全て毒があるので遊びに使っても決して口にしないように、遊んだあとは手をよく洗って欲しい。


このブログを書くのに色々調べていて今回1番驚いた中毒事例がこちら↓


このマンダラゲを台木としてナスを接木し、実ったナスを料理して食べたら意識混濁などの中毒を起こした。


中毒を起こした人はマンダラゲがナス科であると知っていたのだろう。そして植物としての強靭さや実なりの良さも知っていたのでそんな事を思いついたのだろうが、

見た目はナスでも毒の成分はしっかり受け継がれていた、というなんとまぁ、すごい話だと思う。


ちなみに奈良の鹿はこの植物を食べない。

ググらなくても危険と察知する能力があるのだろう。


 
 
 

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