前回はケンポナシが甘味を感じなくさせる物質を持っている、という話をした。
第二弾、というわけではないが、今度はアオダモ、という木の話をしよう。
アオダモ、と聞くと「ああ、野球のバットの材料」と言う人が多い。
材質が堅くよくしなるが折れにくいのでバットやテニスラケットに使われた。
だがこの木、とにかく成長が遅い。バット4~6本作るのに適した太さになるまで60年以上かかるわ、良質なアオダモは北海道の日高山脈近郊でしか育たないわ、なのだそうだ。
バット作りは、材料のアオダモの調達をほとんどを天然物に頼っていたためそんな大きな木を手に入れることが不可能になってしまった。
それと大リーガーのバリー・ボンズやデレク・ジーターがカエデ材やホワイトアッシュ(アメリカタモ)材のバットを使っていたため今はそっちが主流になっているそうだ。
それでも現在メジャーリーグ界をざわつかせている大谷選手はアオダモのバットを使っている。
あのイチロー選手も以前は使っていたがあまりの入手しにくさにホワイトアッシュに変更したそうだ。
バットとしての需要は減ってしまったが、木の姿がきれいなことや成長が遅く手間がかからないことから、シンボルツリーとして人気があり、最近では庭先に植えられていることがある。
と、いうことでそろそろ今回の本題に入ろう。
私も近所のおうちのシンボルツリーとして植えられているアオダモを一枝いただいてきた。
さて、これがアオダモの枝
この枝を水を入れた透明なコップにさす
そして部屋を薄暗くして100均で買ったレジン硬化用のUVライトを当てると…
枝の切り口から何やら青く光る物が!!
かき混ぜると…
なんと!コップの水全体が青く光りだした!
実はアオダモという木は樹液に蛍光物質をたくさん含んでいて、枝を切って水に漬けるとその蛍光物質が溶け出してくる。
そこで紫外線(UV)ライトを当てると
反応して青く光る、というわけ。
「ライトの青い光が反射してるだけちゃうん?」と思ったそこのあなた!
下の写真を見れば納得してくれるだろう
↑UVライトのある時〜( ◠‿◠ )
↑ない時〜(-_-)
もう一丁
↑UVライトの無い時〜(-_-)
↑ある時〜( ◠‿◠ )
水に漬けた枝を使うとUVライトを当てないと読めない秘密♡のお手紙が書ける、というわけ。
ちなみに書いた文字は乾いてもちゃんと光る
というわけで不思議なアオダモの実験はここまで。
ちなみにアオダモほどではないが蛍光物質を含んでいる植物はわりと多く
「樹木蛍光物質」「植物蛍光物質」でググると色々出てくるのでお試しあれ。
それと、UVライトだが、ホームセンターなら懐中電灯型のがある。ただしお値段は高い。
100均ならおもちゃコーナーや手芸コーナーにある。
私が今回使用したのは¥330だった。
今回の実験もやることは単純だがなぜ?どうして?を重ねていくととんでもなく難解な話になって行く。
そちらは専門の方々に任せるとして、身近な自然にもまだまだ面白く不思議な世界があるのだ、と興味を持つきっかけになれば、と思う。
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