さて、春日原始林を歩いているといきなり笛を鋭く鳴らしたような声が聞こえてきてビックリすることがある。
文字にすると「ピィッ!」という感じ
アレは鹿の「警戒せよ!」なのだが、他にも「ミイィィー」「フィーヨー」など文字化するとそんなふうに聞こえる鳴き声も出す
だが彼らはその声を操って会話したりはしない。
文法にのっとり言語を組み合わせ会話するのはヒトだけ、と思われてきた。
これまでは。
2017年、10年に渡る京大の研究でシジュウカラがいくつもの言語(鳴き声)を独自の文法にのっとって組み合わせ、会話していることが解った
先程の鹿なら相手が犬でも人間でも「ピィッ!」で警戒を促す
ところが子育て中のシジュウカラは巣に迫る敵の種類によって鳴き方を変えるそうだ。
そして雛たちも親鳥の鳴き方によって対応が変わるらしい
また秋になり群れで生活するようになると「警戒せよ」の「ピーツピ」「集合せよ」の「ヂヂヂヂ」がよく聞かれるらしいが、「ピーツピヂヂヂヂ」とくっつけて鳴く事がある。
つまり「警戒しながら集合せよ」という文章を話しているのだ。
試しに録音した音声を「ピーツピヂヂヂヂ」と流すと集まって来たが逆にして「ヂヂヂヂピーツピ」と流してみたところまるきり動きがなかったという。
これまでチンパンジーなどでも異なる鳴き声をつなげる例はあるらしいが組み合わせや語順で意味の違いを表現する種は発見されていないという
この事を取っ掛かりにして他の鳥類にも同じ能力があるかどうかの研究が進められるそうだ
そしてその研究は「我々ヒトがなぜ言葉を話し会話が出来るようになったか」を解明する手がかりにもなる、ということらしい
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