top of page
検索

野山で出会うかもしれない自然の脅威⑦〜イノシシ

  • 執筆者の写真: 真弓 依藤
    真弓 依藤
  • 2021年8月15日
  • 読了時間: 3分

自然の脅威シリーズで唯一の哺乳類。


春日山とその近辺、奈良公園内にもけっこうたくさん生息している。

私も何度か出会ったり目撃したことがある。


視力はあまり良くなく100m先の物がなんとなく認識できるくらいらしいが嗅覚は犬と同等で人間の3000倍〜1億倍といわれている。

数字が大きすぎてピンとこないが具体的にいえば 20cmの土の下にある筍の場所がピンポイントでわかるくらい。


聴覚にも優れ超音波も聞き取るという


だから大概はイノシシの方が先に気付いて逃げてしまうので目撃することさえあまり無い。


本来は昼間に活動する動物だが棲家が人間の生活圏と重なる場合は人間を避けるため夜行性になるという。


そんなに用心深いのにこちらに気付いているにもかかわらず逃げないイノシシは、手負いか子連れの可能性があるので近づいたりせず速やかに離れないと危険だ


繁殖期は12月〜2月でこの時期のオスは特に気が荒くなっているので要注意。

オスメス共に牙を持つが遠目でも確認できるくらいの牙ならオスである。


メスは4〜5月に出産し一年半くらい母子で暮らす。

子イノシシがいわゆる「うりぼう」なのは授乳期だけで、生後4か月くらいで独特の縞模様は消えてしまう。

うりぼうは本当にかわいい。親に守られている、という意識があるせいか、警戒心も薄い。

出会った時は思わず写真でも、という気になるが親がいる時はもちろん、姿が見えなくても必ず近くにいて何かあれば必ず攻撃されるので絶対に近づかないように。


がむしゃらにまっすぐ突き進むことを猪突猛進と言うが、実際のイノシシはどんなに興奮していても曲がることもUターンすることもできるし、時速45kmで走るのでかなり離れていない限り人間が走って逃げるのは不可能だ。

また、助走無しで高さ120cmの柵を飛び越えることもあるらしい


攻撃の前には牙をカチカチと鳴らす威嚇行動をするという。

万が一向かって来られた時は地上から120cm以上の高さの物に登るとなんとかなるかもしれない。

イノシシの牙はちょうど大人の太腿の高さくらいに当たるため攻撃された場合大腿動脈を破られて失血死、ということがよくあるのだ。


嗅覚は鋭いが視力はあまり良くないと言ったが、なるほど、と思った出来事が2度ある。

日中新道を歩いていると50mほど離れた森の中にイノシシがいてこちらを見ながらまっすぐ歩いてくるのが見えた。

セオリー通りイノシシの方を見ながら後ろ向きに歩き出した所、まさにハッという感じでこちらに気付き慌ててUターンすると森の中に消えていった。

イノシシの方が風上だったせいで気づかなかったのだろう。

もう一つは私の娘の話だが禰宜道をバイト先でもらった和菓子を食べながら帰っていたところ(この地点でいささか問題がある)気配を感じて振り向くとイノシシがついてきていた。

かなり離れてはいたが、明らかに和菓子の匂いを追って来ていたらしい。

娘は食べかけの和菓子を慌てて口の中に放り込み走ってその場から逃げたそうだ。

もちろんそれ以降食べ歩きなどしなくなったのは言うまでもない。


さて、野山で出会うかもしれない自然の脅威シリーズも今回で終わりである。

本当は1番の脅威は熊なのだろうが、幸いにも春日山にはいないので紹介しなかった。

自然に親しむということは言い換えれば野生動物のテリトリーに侵入しているということなのだから、常に用心するのはもちろんのこと、万が一の時は正しい知識をもって対処できるように心がけたい。



 
 
 

Comments


© 2023 by Nature Org. Proudly created with Wix.com

google-site-verification: googlebe9d463d2266bc5b.html

bottom of page