野山で出会うかもしれない自然の脅威①〜スズメバチ〜
- 真弓 依藤
- 2021年8月8日
- 読了時間: 3分
春日山を散策していて最も出会いたくない生き物の頂点に君臨するのはスズメバチ。
スズメバチ、と一口に言っても日本には16種類ものスズメバチがいるそうな。
中には巣を壊したりしない限り攻撃してこない大人しい(?)スズメバチもいるのだが…
残念ながら春日山近辺で出会うのは大人しくないのがほとんど。
大人の親指ほどもあるオオスズメバチかそれよりふたまわりほど小柄なキイロスズメバチが多い
3月の巣作りに始まって11月くらいまでが活動期間だが、最も注意が必要なのは7〜9月。
この時期は巣の最盛期で、働きバチ達は食料の調達、幼虫の世話、巣の補修、外敵からの防衛のため常にハイテンション。
普段ならスルーする刺激に対して過剰に反応する
具体例としては、 20mくらいの樹上にある巣の下を知らずに歩いていたらいきなり刺された、とかスズメバチが樹液を吸っていたクヌギの木の近くを通っただけで襲ってきた、など。
不幸にもそんな不意打ちで刺された場合どうすればいいか。
一人で散策中なら痛いのは我慢してとにかく黙って走ってその場から離れる。
同行者、もしくは周りに人がいる場合はスズメバチに刺されたことを知らせてから走ってその場から離れる。
なぜなら刺されたということは巣が近くにある可能性が高く、すぐに仲間がやって来るかもしれないからとにかく全員逃げないといけない。
スズメバチはミツバチとは違い1匹が何回でも刺せるし、毒性も桁違いに強いのでまず出来るだけ早くその場から逃げるのが肝心
さて、安全な場所まで走って逃げたらまずは毒を少しでも取り除くために持っていればポイズンリムーバー(最後に説明します)を使うか、無ければ刺された所を毒を絞り出すようにひねりながら水で流す。
蜂の毒は水に溶ける性質なのでお茶でもジュースでもいいそうだ
口で吸い出すと言う方法もあるが、口内炎などがある場合かえって毒を取り入れてしまうことになりかねないので注意が必要。
そのあとは有れば抗ヒスタミン軟膏(ムヒなどの虫刺されの薬)を塗って30分くらい安静にして様子を見る。
刺された所が痛いのは仕方ないとして、異常な熱感(身体がカッと熱くなる感じ)、冷や汗、急な動悸、手足のしびれ、息苦しさ、全身の浮腫、じんましんなどの症状が出てどんどん強くなるようならアナフィラキシーの恐れがあるのですぐに救急車を呼ぶべき。
その際はスズメバチに刺されたと伝えると到着後の対処が早い。
30分過ぎても刺された所の痛みと腫れだけならひとまず安心していいが、翌日くらいからは痛みに加えて痒みと熱感が出て、長ければ3.4週間は続く。
塗り薬でも収まり切らない時は小さな保冷剤をハンカチで包むなどして当てておくとマシになる。
もちろん気になる症状があったら皮膚科に行って診てもらうのがいいだろう。
アナフィラキシーは初めて刺された人はめったにならないが、その際身体の中で蜂の毒に対する抗体が作られるので2回目、3回目は気を付けたほうがよい。
蜂としては家族を守るため、こちらを敵とみなしているので攻撃に容赦はない。巣を見つけても興味本位で近づくなどという事は絶対にやめておいたほうが身のためだ。
さて最後に
ポイズンリムーバーについて
アウトドアの専門店なら必ず取り扱っている、毒を吸い出す器具。
私は片手で操作できる所と毒を吸い出すカップが4種類入っている所が気に入ってフランスのエクストラクターというブランドのを使っている

値段も操作性も千差万別なので、店の人のアドバイスを受けて選ぶといいだろう
野山へ出かける機会が多いなら一つ持っているといざという時に助かるなかなかの優れものだ。
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